2007年09月28日

男鹿和雄展

夏休みからの懸案事項だった男鹿和雄展(東京都現代美術館7/21-10/1)というのに
行ってきました。(休み中に一度行ったんですが入場まで90分待ちと言われ、メゲて
退却したんでした。)
http://www.ntv.co.jp/oga/
長くやってたんですがいよいよ最終週、見る気ならここで行かねば、というわけで。
休みは終わってるし平日だしで90分待ちまでは行くまい、と。
それでも1時間くらい待ったかな、入り口で人数をコントロールしながら入れてまして。
えー男鹿さん、ひとことで言っちゃえばジブリの諸作品の背景画を描いてる人ですね。
アタシはジブリのマニアではありませんがまあ一応は見ておりまして、その背景は
常々綺麗だなあと思っておりました。トトロとかね。

いやあ、いい展覧会ですよ。って、もう終わっちゃうのですが。
とても丁寧な展示。点数が凄いですし、元になったスケッチなどの資料も豊富。
仕事場の机まで再現してあって実際お使いの筆なども並んでいます。
で。肝心の絵、これも凄いもんで……感動しちゃいました。
こりゃあ客足落ちないわけだわい、と。

絵がねー……
いやもう、ここまで描いてあるのか、と。
昔から映画では絵と実写を合成する技術があるのですが、それに使う絵は
かなり「荒く」描くのがむしろミソなんですね。
細かく描写しすぎると実写となじんでくれないんです。
んなわけで、ある部分かなり意図的に荒く描いてるのかなあと思って
行ったんですけど……いやーすっげー書き込んであるんです。
遠景の小さな東屋の窓枠の厚みなりに日が滑ってるなんてとこまで、
うわー、俺、結構老眼来てるなーと痛感するくらいの細かさで描いてある。
いったい一作品でこういうのを何枚描いてるのか……
ちょっと前に引きこもって紙芝居に毛の生えたレベルの動画作ってて
その程度でひーひー言ってた自分には気の遠くなるような一枚。
その超こまかいとこを面相とかじゃなくて太い筆の穂先で描いちゃう
というのも絶句!

でもね、凄いのはそういうディティールもさることながら
光と空気、ですなあ。温度湿度まで感じます。
今にも沈もうとしてる夕日に雲がかかって光ってる……おおホントに光ってる!
古い学校の廊下の突き当たり遠くで光がにじんでいる窓……を映す
磨かれた床板……
おとといのお月見、群雲の隙間から顔をのぞかせた月を見ながら、
「これは絵で描くとしたらどんな風に描けば……」なんて思いながら
夜道を歩いていたんですが、まさにその月がここに……!
ぼんやりと雨に煙る田園の朝、カリーンと快晴の雪景色、竹藪越しに
差し込む夕日、苔むした森の奥に絡まる大木の根……
いやもう、どう描けばこういう世界が実現できるのか、へばりついて
見ちゃいました。普通、家族で展覧会に行くとアタシは見たいものだけ
どんどん見て出口で家族を待つというのが毎度なんですが、今回は
家族を待たしちゃったんでした。

当たり前ですがデッサン力たるや恐るべしで、となりで見ていたカップルが
「もうこのデッサンだけでお腹いっぱい!って感じねえ」などとつぶやいて
ましたけど、資料はあれども架空の風景のパース遠近感を描ききる腕力。
坂の上から眼下に広がる港町、鳥瞰した半島にこじんまりと建物が並ぶ街、
それら全てに設定された太陽が及ぼす影が間違いなく落ちてる……

いやあもう、ある意味吐きそうでしたわい。

でもね……それだけの腕前の人が……なんで人物描くとダメなのかなあ……。
展示の後半で、最近個人的に描かれた絵本とかリミテッドな動画とかがあって
そっちでは人物も描いてるんですけど……なんか魅力ないんだなあ。
デッサンも何か変……天は二物を……的なことなのか。

ま、そんなこんな。
絵に興味ある方でしたら絶対行って並んで損のない展覧会……すげーです。
って……もう終わっちゃうんですけど。すんません。
東京のあと、どこか地方を回るのかな……
posted by nurhati at 09:43| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
どうもです。いやぁ、これ行きたかったなぁ。子供の頃の田舎の夏風景が蘇ってきますなぁ。まばゆい陽光、草いきれ、川で泳いで寒くなってうつ伏せになっていた岩のぬくもり・・・そんなものが伝わってくるような絵だと思います。

地元の美術館では今日からモジリアーニ展が始まるけど、年間パス(たったの3000円!)がもったいないので行ってみようかな。
Posted by いのうえ at 2007年09月29日 13:41
どうもっす。
「モディリアーニと妻ジャンヌの物語展」というのを
今年の春こっちでやってたんですけど、ひょっとして
それがそちらに行ったのかなあ……と検索……
そうですな、県立美術館。
モディリアーニそのものに、というよりも
この夫婦の足跡に興味がおありなら、という感じの
展覧会だったような。
男鹿和雄展もそっち行くといいですなあ。

Posted by いおかわ at 2007年09月29日 15:37
あ、それです。

内容、そんな感じですか。まぁ暇つぶしに自転車散歩がてらに出かけてみますわ。ちなみに東京ではどこであったの?

男鹿和雄展、来ないだろうなぁ〜。
Posted by いのうえ at 2007年10月02日 20:46
東京では……bunkamuraだったかな?

男鹿さんの方は、公式ブログに「現在、日本国内での巡回展の検討を進めております。
会場、時期が決まりましたら、順に発表をさせて頂きます。」とあります。
http://www1.ntv.co.jp/oga/blog/
そちらにも行くといいですな
Posted by いおかわ at 2007年10月03日 03:31
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